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人身事故後に逃げたが、罰金で済んだ事例

事件:道路交通法違反、自動車運転過失傷害

解決までの期間:5ヶ月

最終処分:罰金

 

ひき逃げだが逮捕されず

「捜査中のひき逃げ事件で相談したい」との電話がかかってきました。 ひき逃げ事件の場合、逮捕勾留されるのが通常ですが、 この事件では、不思議と逮捕されていませんでした。 話をよく聞くと、ひいたことが分かったが、携帯電話を持っていなかったため、 被害者にその旨を告げて、被害者が通報するのを確認してから逃げた、 とのことでした。 つまり、人を轢いてそのまま逃げたという事件とは少し違う事件だったのです。  

 

ひき逃げかどうか

法律上は、ひき逃げは2種類のものがあります。 1つは、被害者を助けるなどの義務を怠って逃げた場合、 もう1つは、警察官に報告するなどの義務を怠って逃げた場合です。 直接的に命の危険を生じさせる分、前者の方が、ずっと厳しい刑が科されることになります。 今回の事件は、それぞれの義務を果たしたか、 果たしていないのであれば、どの義務を果たしていないのか、といったところが問題になりました。  

 

強引な取調べ

この事件の担当になった警察官は、依頼者に対してかなり強引な取調べをしました。 携帯電話を持っていないなんてことがあるのか、 本当に通報を依頼したのか、また、その通報を確認したのか、 といった点について、真実の異なるような調書を作成しようとしたのです。 警察官としては、明らかにひき逃げ事件であるという筋を描いていたのだと思います。 依頼者も、真実と異なる内容を書かれたにもかかわらず、 事故時から罹患していた精神疾患の影響もあり、 耐えかねて、調書に署名してしまったとのことでした。 私としては、もっと早く依頼してほしかった、と思いながら、 何とかこの調書が真実でないことを明らかにする必要があると思いました。  

 

検察官との交渉

警察署から検察庁に送致されると、すぐに検察官に会いに行きました。 私からは、警察からかなり誘導され、真実と異なる内容が調書になっているため、 依頼者の取調べで、何が真実かよく聞いてほしいことを強く伝えました。 また、依頼者が上手に説明できないことを踏まえて、 私が依頼者から聞いた内容を詳細に伝え、調書と違う筋書きを印象づけました。 同時に、被害者との示談状況や、事件当時、依頼者がパニックに陥っており、 正常な判断ができていなかったことなどもよく説明しました。  

 

罰金処分へ

その後の検察官の取調べでは、警察の調書とどこが違うのか、 しっかりと依頼者の話を聞く形になり、こちらの言い分を理解してもらえました。 ひき逃げ事件の場合、正式裁判になるのが通常です。 しかし、本件では、犯行状況や、示談の状況などを加味して、 最終的にひき逃げは起訴されず、ケガをさせたという点だけについて罰金となりました。  

 

依頼者に代わって説明すること

依頼者の中には、当然、口下手だったり、動揺してよく話せない方もいます。 弁護人は、そのような依頼者に代わり、捜査機関に対して、事実を代弁することも必要である。 そう実感した事件でした。

 


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